りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)は18日、県内在留外国人の総数が2023年10月末時点で2万4386人と推計されると発表した。これまで最も多かった22年末の2万1792人から2594人増え、23年末は過去最多を更新する見通しを示した。各業界で人手不足が課題となる中、外国人労働者が地域経済社会を下支えしている現状があると分析。労働力の確保を図り、さらなる経済発展につなげるためには県庁に専門部署を新設するなど、外国人の受け入れ態勢強化や規制緩和などを進めるよう提言した。
在留外国人の増加は新型コロナウイルス対策で実施していた入国制限撤廃や、観光需要の回復に伴って課題となっている人手不足解消に向けた仲介など、各種取り組みが背景にある。
22年末時点の国籍・地域別は、ネパールが前年比76.9%増の3335人と最多で増加率もトップだった。22年3月に入国規制が解除され、語学学校への留学の動きが再開し増加に転じた。伸び率が73.3%と次に高かったインドネシアは日本への就労支援が進み、「特定技能」や「技能実習」の在留資格が伸びたことが影響した。
沖縄労働局によると、22年10月末時点の県内外国人労働者数は1万1729人で過去最多に。資格別でみると「専門的・技術的分野」が最も多く3789人だった。
りゅうぎん総研は各種動向調査や聞き取りから、人手不足の解消に外国人労働者の活用が重要になっている一方で、住居の貸し渋りや家族教育支援の状況など、外国人労働者を取り巻く環境は「いまだ整備が途上」と指摘した。
県経済の発展を制約する要因となりつつある人手不足の解消を図るためにも、外国人労働者に対応するワンストップの行政窓口を設置するなど、受け入れ態勢の整備・強化など4項目にわたる施策を提案した。
県内の在留外国人に関する調査は3回目で、提言をまとめるのは初めて。豊田社長は「国が外国人労働者の受け入れの政策を推進する中で、県内も取り組みを加速させる必要がある。外国人労働者は欠かせない存在になっており、積極的に受け入れて対応すべきだと思っている」と話した。
(謝花史哲)