正月用キク 出荷ピーク ANAカーゴが臨時便


正月用キク 出荷ピーク ANAカーゴが臨時便 正月用キクの臨時便を見送る県花卉園芸農業協同組合の前川亮一組合長(左から2人目)、ANAカーゴ沖縄統括支店の川手教弘支店長(同3人目)=23日、那覇空港貨物ターミナル
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 正月に向け、県産花卉(かき)の出荷が最盛期を迎えている。電照菊などの「太陽の花」ブランドを出荷する県花卉園芸農業協同組合(前川亮一組合長)は23日、那覇空港貨物ターミナルで出荷式を開き、ANAカーゴの臨時便で4200ケース(84万本)を成田空港へ運んだ。

 年末に向けた2023年の生産は、台風6号やその後の小雨などの影響が心配されたが、生産者が栽培管理を徹底し大きな被害もなく良い生育、作柄となった。輸送された花卉は、東北から関東近郊に出荷される。

 新たな取り組みとしてオランダのクリザール社が製造する「フレッシュライナー」という保湿包装材を全国に先駆けて導入。適切な湿度が保たれ、花や葉の品質を維持したまま輸送できるようになったという。また、前年に続き、輸送コストの削減や購入者のごみ処理代削減を目的として、小ギクの長さを従来の規格より5センチ短い、草丈70センチにした。今年からは大ギクも5センチ短い草丈80センチ、スプレーギクも5センチ短い草丈75センチにした。

 12月の出荷数量はキク類が前年比95%の13万4千ケース(2452万本)、その他1万ケースの出荷を予定している。売上げはキク類で11億円、その他で1億円を見込んでいる。

 前川組合長は「コロナ禍も落ち着き、年末に帰省する人も多いと思う。沖縄の花で良い正月を迎えてほしい」と語った。

 (玉寄光太)