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沖縄でバニラビーンズ栽培 新たな特産品化に期待 <けいざい風水>


沖縄でバニラビーンズ栽培 新たな特産品化に期待 <けいざい風水>
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 近年、世界で高騰するバニラビーンズの価格をご存じでしょうか。

 約10年前、1キログラム当たり5千円程度だったバニラビーンズの輸入価格(輸入金額を輸入数量で割ったもの)は、2018年には銀よりも高い6万円台を記録。21年以降、価格は下がったものの2万円台で推移し、市場流通価格に至っては6万~8万円で取引されています。

 価格高騰の主な原因は、バニラビーンズの生産シェア約8割を占めるマダガスカルにおいて、サイクロンや干ばつなどが発生し、生産量が落ちたことでしたが、近年は消費者の高級ホンモノ志向、自然派食品への関心の高まりにより需要が増加したため、市場流通価格は高価格帯で推移しています。

 そして、まだイメージが薄い方も多いかもしれませんが、ここ沖縄県でもバニラビーンズがさまざまな農家や企業によって栽培されています。私の勤務先がある北中城村では、就労継続支援A型事業を営む事業所が障がい者雇用の場としてバニラビーンズを栽培しています。

 バニラビーンズの栽培は、商品価値を左右するバニラ独特の甘い香りを引き出す発酵工程(キュアリング)が非常に難しいとされています。しかし、研究などを進めることによって高品質なバニラビーンズができれば、近い将来、香り豊かな沖縄県産バニラビーンズを使ったスイーツがお目見えするかもしれません。バニラを使用した製品が新たな沖縄県の特産品になることを期待したいです。

(沖縄銀行北中城支店・支店長 國吉明子)