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沖縄県内効果477億円 九州・沖縄・山口で0.2% 半導体産業の集積


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 シンクタンクの九州経済調査協会(福岡市)が昨年12月発表した推計によると、半導体関連の設備投資による九州・沖縄・山口への経済波及効果は2030年までの10年間で20兆770億円に上る。県別では熊本が10兆5360億円と突出しているが、大型の投資案件がない沖縄での効果は最も低く477億円と全体の0・2%にとどまった。

 県内では関連産業の生産誘発よりも、雇用者の消費活動に起因した効果が大きく、飲食サービス業など第3次産業の金額が84・6%を占めた。

 沖縄総合事務局が23年3月にまとめた調査では、県内の半導体関連企業の多くが県外に本社を置く企業の支社や子会社で、県内企業同士の取引が乏しく、人材の供給源となる教育・研究機関との連携が希薄であることが浮かび上がった。

 新たなコミュニティーとして「シリコンビーチ沖縄」の形成も提唱されている。企業誘致を図り経済波及効果を高める上でも、県内での産官学金の連携が鍵を握りそうだ。

(當山幸都)