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観光EVタクシー開始 第一交通・本部町など 環境負荷減へ実証


観光EVタクシー開始 第一交通・本部町など 環境負荷減へ実証 本部町の観光地を巡る貸切EVタクシー事業のサービス開始で出発式を開いた同町の平良武康町長(右から2人目)や第一交通産業沖縄地区の後藤勝義社長(同3人目)ら関係者=1日、那覇市の那覇バスターミナル
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 沖縄県内でタクシー事業を展開する第一交通産業(福岡)の沖縄地区グループと本部町などは1日、電気(EV)タクシーを活用したインバウンド(訪日客)向けの旅行体験サービスを開始した。環境志向の高いインバウンド層への需要を取り込むとともに、新たな交通形態で観光地への移動手段不足の解消を目指す。
 国土交通省の「地域交通共創モデル実証プロジェクト」に採択された取り組み。環境負荷を低減する持続可能な観光を追求する実証事業で、住友商事九州、住友商事、東武トップツアーズも参加している。
 12日から本島南部や中部発で本部町の観光地を巡る貸し切りEVタクシー事業のサービスを始める。利用客には同町の「海」「文化」「季節」を探求する3種類のモデルコースを用意。専用アプリを活用して自由に観光ツアーを組み立てることができる。
 実証事業に伴い第一交通産業沖縄地区は韓国の現代自動車の4台のEVタクシーを導入した。年中気温が高く空調を多用する沖縄に適したEVタクシー稼働の状況を分析し、今後の台数増加につなげたい考え。予約がない日は通常の配車に回し運行する。
 この日、那覇バスターミナルで出発式を開き、関係者がテープカットで稼働を祝った。本部町の平良武康町長は「環境にやさしい観光地として魅力向上に期待できる」と喜んだ。
 県ハイヤー・タクシー協会によると、2021年度現時で県内に燃料電池車タクシーの導入はない。第一交通産業沖縄地区の後藤勝義社長は「意義のある実証になっていくと思う。台数を増やせるかは今後のことだが、将来的に環境負荷の軽減に貢献できたらと思う」と話した。 (謝花史哲)