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「農福連携」市が支援強化 名護でマッチング相談会 障がい者の就農後押し


「農福連携」市が支援強化 名護でマッチング相談会 障がい者の就農後押し 農福連携に向けて話し合う農業者(左)と福祉事業所の担当者(右)ら=15日、名護市中央公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 池田 哲平

 農業分野への障がい者の就労を後押しする「農福連携」の推進に向け、名護市は15日、農業者と福祉をつなぐ「マッチング相談会」を市中央公民館で開いた。市内の農家7人と8カ所の福祉事業所が参加し、農家が求める働きと福祉事業所の利用者ができる仕事について面談方式で話し合った。

 農水省が認定する農福連携技術支援者の新里えり子さんによると、農福連携に向け、両分野の適合を図るための自治体の取り組みは全国的にもまだ事例が少ないという。

 「農福連携」は農業者と福祉事業所などが連携して、農業分野で障がい者などの働く場をつくり、社会参加を後押しする取り組み。農業分野の労働力不足が深刻化する中、近年注目を集めており、市は勉強会の開催など、今後も連携支援の施策を強化する考え。

 市農業政策課と社会福祉課が企画した「ノウ×フク(農業×福祉)マッチング相談会」では、農家でもあり、実際に障がいのある人に働いてもらっている新里さんが福祉事業所と契約している状況などを説明。農家の労働時間短縮や障がい者らの労働機会の創出、生きがいにつながっていることなど、利点を紹介した。

 障がいの程度や福祉事業所利用者の特性に合わせ、作業を細分化するなどの工夫で、福祉の力を活用できることを説明。契約の仕組みや請負報酬の考え方、農業と福祉の双方に向けた契約時の留意点など、要点も伝えた。新里さんは農業者と福祉事業者の関係について「常にビジネスパートナーとして意識し、お互いによく相談していくことが大切だ」と話した。

 就労支援B型事業所で生活支援員を務める大城浩さんは、利用者に合った農業分野の仕事がないかを知ろうと参加。「利用者に仕事ができる喜び、楽しさを知る機会を与えたい」と連携に可能性を感じた様子。トマト農家の比嘉太嗣さんは「福祉との連携について知識を吸収したいと思った。(障がい者と)1対1の雇用契約ではなく、(福祉)施設との契約だと農家側の負担軽減にもつながる」と話した。 

(池田哲平)