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沖縄の企業、採用に「不満」44% 内定辞退やエントリー数の減少…“売り手市場”で競争激化 


沖縄の企業、採用に「不満」44% 内定辞退やエントリー数の減少…“売り手市場”で競争激化  市街地上空
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 求人情報誌「アグレ」を発行する求人おきなわは20日、2024年春に卒業する学生を内定した企業調査で、雇用数の充足度について「計画より減少」が前年比で6・4ポイント増の66・0%で最も多かったとする結果を発表した。採用計画が予定通り進まなかったことから満足度は「不満」が44・6%を占め、12年卒調査以来、最も高い割合となった。充足度が「減少」の割合も過去2番目の高さだった。

 回答理由では「内定辞退があった」「エントリー数の減少」などの声があった。コロナ禍から県内の経済活動が回復して各業種で人手不足が進み、学生優位の「売り手市場」となる中、採用競争が激しくなっていることが背景にあるとみられる。

 採用状況の進行度では「当初の予定通り進まなかった」が前年比20・9ポイント増の57・4%で最も高い割合。一方、充足度の設問で「計画より増加」が12・8%で前年比3・2ポイント増加した。採用状況が厳しさを増す中で、早期選考開始や待遇改善で呼び込みに成功する企業があった。

 採用計画では広報や選考の開始時期が早まり、インターンシップの実施した企業では採用計画が進んでいる傾向がうかがえたことなどから、求人おきなわの担当者は「企業を知ってもらうインターンシップを効果的に活用し、ミスマッチをなくす取り組みなど情報の伝え方が重要になっている」と話した。

 調査は23年12月1日~24年1月12日、企業にウェブアンケートを実施し47社から回答を得た。

 (謝花史哲)