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沖縄、カーシェア市場が拡大中 5億円超える規模 「マイカー県民」への普及が鍵 りゅうぎん総研


沖縄、カーシェア市場が拡大中 5億円超える規模 「マイカー県民」への普及が鍵 りゅうぎん総研 台数が増加傾向にある県内のカーシェアリング(りゅうぎん総研提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 りゅうぎん総合研究所は26日、県内の車両を共有するカーシェアリング市場は観光とビジネス需要の増加で5億円を超える規模に拡大していると発表した。

 大手主要5社の車両台数を基に利用金額ベースで推計。コロナ禍の時期は下落したものの、2019年から2億円を超える水準で推移し、23年は前年比31・9%増の5億900万円と試算した。需要は増加傾向にあるとして「今後も市場規模は拡大するだろう」と分析した。

 普及地域は観光客やビジネス利用を背景に9割以上が那覇市となっている。一方、県外に比べ世帯当たりの自家用車普及率が高く、一般利用は広がっていないのが現状。さらなる市場拡大には県民への認知度向上が課題という。

 カーシェアリングはコインパーキングの一画などに設けられた「カーシェアステーション」に配備された車両を会員同士が共有する仕組み。
主要5社合計のステーション数は23年12月末現在で、前年同期比36・6%増の179カ所、車両数は同74・2%増の425台でいずれも過去最高となった。全国も拡大傾向の中、沖縄は台数、ステーション数がいずれも全国13位だった。

 今後の見通しについては、全国的なカーシェア普及で県内旅行中の移動手段として選択される可能性が高まるほか、那覇市内を中心に社用車の代わりに利用する法人も増えていることから増加を見込む。

 米須唯研究員はカーシェアがマイカーより支出削減が期待できるほか、事業者による電気自動車導入の動きに注目し「経済的、社会的メリットについて認知を図ることで利用者層の拡大につながると考えられる。さまざまな交通課題解決へ県民の利用促進は重要だ」と指摘した。

(謝花史哲)