prime

【識者】パート増加が要因か 沖縄の実質賃金「減」 生産性の向上がカギに


【識者】パート増加が要因か 沖縄の実質賃金「減」 生産性の向上がカギに  名嘉座 元一沖縄国際大教授
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 全国は大企業があるので賃上げができているが、沖縄は中小零細が多く、その動きに乗れていないのだろう。非正規雇用やパートアルバイトが多い影響もあると思う。

 新型コロナウイルス感染症の影響でサービス業を中心に正社員が辞めて、なかなか戻って来ないと聞いたことがある。その分をパートやアルバイトで補っている。時給は増えているが、恐らくパートタイムの比率が大きくなって、全体を引き下げているのだろう。

 賃金の増減要因を分解すると、パートタイムの比率が多い場合、それが名目賃金上昇の足を引っ張り、全体を押し下げることがある。

 第2次産業で底上げできる全国と違い、沖縄は中小零細が多く、サービス業が主体のため、賃上げの動きは鈍くなるのではないか。今後、全国と沖縄の格差が広がる可能性もある。

 もちろん県内の中小零細も賃上げを考えていると思う。ただ人手不足で正社員さえ集まらない。中小零細にとって難しいところだが、物価高を価格転嫁せざるを得ない状況だろう。厳しい状況は続く。工夫して生産性を上げることが重要になってくる。

 (労働経済学)