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沖縄の実質賃金は5.5%減 2005年以降で最大の下げ幅 全国に比べ厳しく、物価高が追い打ち


沖縄の実質賃金は5.5%減 2005年以降で最大の下げ幅 全国に比べ厳しく、物価高が追い打ち
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 県が29日発表した2023年の毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)によると、物価変動を考慮した実質賃金は前年比5.5%減だった

 比較できる05年以降で最大の下げ幅。小規模・零細企業で賃上げが追い付いていないことやパートタイム労働者が増えたことで、名目賃金に当たる現金給与総額は1人当たり月平均で1.4%減の24万8906円となった。一部業種で給与水準が下がる中、物価高騰が追い打ちを掛ける形となった。

 県統計課によると、マイナスは3年連続。減少が5%台は9年ぶり。実質賃金は減りながらも給与総額は1.2%増の全国に比べ賃上げが鈍い厳しい状況が浮き彫りになった。

 23年の給与総額の内訳では、所定内が0.4%減の20万4833円、賞与を含む特別に支払われた給与は6.5%減の3万2058円だった。
産業別でみると、集計した16業種のうち、9業種で前年比プラスだった。

 特別支給が大きく減った「教育・学習支援業」やパートタイムの割合が増えた「飲食サービス」、「医療・福祉」など5業種の減少が響き全体を押し下げた。資源高を価格転嫁できずに収益を圧迫し人件費まで届かない状況が背景にあるとみられる。

 就業形態別では、フルタイムの一般労働者は1.0%減の31万8246円、パートタイムは0.5%増の10万909円だった。 

(謝花史哲)