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沖縄経済へ波及期待 東証最高値 県内投資家 活発に 投資先、中国から日本へ


沖縄経済へ波及期待 東証最高値 県内投資家 活発に 投資先、中国から日本へ 3万9098円68銭を付けた日経平均株価の終値を示すモニター=22日午後、東京都中央区
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日経平均株価がバブル経済期だった1989年12月29日の水準を上回って史上最高値を付けたことに、県内経済関係者から県経済への波及効果を期待する声が上がった。関係者によると、株式相場の上昇に県内投資家の動きも活発化した。一方で実体経済とは離れた値動きとの分析もあり「すぐに影響はないだろう」と冷静な見方もあった。

 株高について、県経営者協会の金城克也会長は「朗報」と受け止めた上で「上場企業が少なく、輸出型産業も乏しくて円安の恩恵を受けにくい沖縄だが、株高による日本経済全体の成長で沖縄経済に好影響をもたらしてほしい」と期待した。

 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は「低迷続きだった日本には明るいニュースだ。世界での投資先だった中国への流れが今、日本に来ている」と肯定的に受け止めた。一方で、沖縄は中小零細企業が大部分を占めるため「投資家以外、あまり実感がないのでは」とも。今後について「企業の価値や収益、消費マインドの増加につながる循環に期待したい」と話した。

 りゅうぎん総合研究所の武田智夫常務は政府が発表した2月の月例経済報告で景気判断が引き下げられたことに触れ「米国市場に引っ張られての上げ方だろう。国内の実体経済とは離れた動きだ。県外企業は含み益が増える。それを背景に沖縄への投資の余地は出るかもしれないが、直接的な影響はそれほどないと思う」と分析した。

 この日の値動きに県内の投資家も反応した。県内の証券会社支店には問い合わせが増え、電話がかかりにくい状況に。関係者によると、史上最高値を受けて県内でも投資意欲が旺盛になっているという。 

(謝花史哲、與那覇智早)