沖縄ツーリスト(OTS、東良和会長)は29日、2023年度決算(23年1~12月)の純利益が16億1954万円(営業利益は15億3120万円)となり、創業以来最高益だったと発表した。
コロナ禍などで19~21年は赤字が続いたが、22年に続き2年連続の黒字となった。
19年は7億2806万円、20年は12億4206万円、21年は10億2637万円の赤字を計上していたが、22年には2億143万円の黒字に転換。23年5月に新型コロナが5類に移行して人流が活発化したことに加え、不採算店舗・部門の閉鎖や収益性の低い事業からの撤退、海外子会社の解散、不動産の売却などを進め収益を確保した。
23年度の主力の旅行部の取扱高は前年比53・3%(32億9528万円)増の94億8173万円、レンタカー部の売上は同約3・8倍(21億1030万円増)の37億2800万円と大きく伸びたものの、コロナ拡大前の19年比では旅行部が58%(131億1508万円)減、レンタカー部は15・5%(6億8142万円)減で、コロナ前には及ばなかった。
県外向けのウェブ旅行商品の開発とプロモーションや、海外市場へのデジタルマーケティングの強化など新たな取り組みが収益増に寄与した。
19年の赤字について担当者は「日韓関係の悪化で韓国からの観光客が激減したことや、香港でのデモの影響で沖縄―香港便の運休が相次いだことで減収となった」とした。
コロナ禍が響き、23年度決算では1億5304万円の債務超過となっている。東会長は「最高益を出してもコロナ禍の損失全体を取り戻すには道半ばだ。コロナ禍の損失額がいかに大きかったか思い知らされる」と話した。
(與那覇智早)