有料

日銀那覇支店も沖縄の「賃上げ」動向に注目 県内の景気「拡大基調」を維持 3月


日銀那覇支店も沖縄の「賃上げ」動向に注目 県内の景気「拡大基調」を維持 3月 那覇市内(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 日銀那覇支店は8日発表した3月の県内金融経済概況(主要指標1月)で、「県内景気は拡大基調にある」との判断を維持した。小島亮太支店長は県内は全国より物価上昇率が高めで、景気の拡大基調が続く上で賃上げなど雇用所得環境の改善は必須だとして「春以降の賃金改定の状況に注目している」と述べた。

 個人消費のうち、百貨店・スーパーは暖冬の影響で販売が伸び悩んだ衣料品が改善した。自動車の登録台数は新車で一部メーカーの不正による影響が本格化するなど、前年を下回った。物価高の家計への影響を懸念する声がある。

 観光は1月のホテル客室稼働率が前年比0.4ポイント減の51.7%。2月の速報値は70.5%で、2020年の新型コロナウイルス感染拡大後、23年3月に次ぐ高水準となっている。2度の三連休やスポーツキャンプの開催が需要をもたらした。

 県が2月に発表した23年の毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)では、実質賃金が前年比5.5%減と過去最大の下げ幅だった。

 同調査は対象サンプルの入れ替えがあり、小島支店長は「過去との単純比較はできない」と指摘。共通事業所でみた実質賃金のマイナス幅は2%程度になるとして、「いずれにしてもマイナスは変わらないが、この値で評価する方が適切ではないか」と説明した。

(當山幸都)