那覇ー本部間、車なら2時間の移動→ヘリで25分 早ければ24年夏にも沖縄県内で本格運用 川崎重工が実証実験 


那覇ー本部間、車なら2時間の移動→ヘリで25分 早ければ24年夏にも沖縄県内で本格運用 川崎重工が実証実験  川崎重工業によるヘリコプター事業の実証実験で、本部町に到着した機体=21日、本部町の本部グリーンパークホテル&ゴルフ場
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 川崎重工業(東京、橋本康彦社長)は21日、沖縄県内でのヘリコプター移動事業に向けて実証実験を実施した。

 同日は本部町と連携し、那覇―本部町間をヘリで運航した。早ければ今夏にも県内で本格的な運用を実施したい考えで、観光地が集中する本部町での事業展開を皮切りに、県内各地で同様のサービスの展開を目指す。那覇―本部の移動時間は20~25分程度で、往復100万円を切る価格設定を見込んでいる。

 同社が東京や名古屋などで展開するサービス「Z―Leg」を拡大する形で実施する。同社は欧州航空機大手のエアバスグループとヘリを共同開発しており、契約するヘリ運航事業者との緊密な意思疎通などで、より安全な移動が可能だとしている。

 実証実験では那覇空港と本部町のゴルフ場「グリーンパーク&ゴルフ場」を往復した。陸路の移動では通常約2時間かかるが、ヘリでの移動は20~25分程度で移動することが可能。

 同社航空宇宙システムカンパニーの堀井知弘氏は「魅力的な観光コンテンツがあり、移動時間を短くすることで現地滞在時間を増やすことが期待される」と話した。

 本部町は、ヘリ乗車券などをふるさと納税の返礼品とすることを検討している。同日、ヘリに搭乗した平良武康町長は「新たな観光の第一歩を踏み出した。滞在時間が長くなることで、豊かな自然を満喫する時間をつくってほしい」と話した。 

(池田哲平)