瀬長島や豊崎へロープウエーで移動!? 交通渋滞に悩む豊見城市が導入を検討へ 次世代交通ベンチャーと連携協定


瀬長島や豊崎へロープウエーで移動!? 交通渋滞に悩む豊見城市が導入を検討へ 次世代交通ベンチャーと連携協定 神奈川県秦野市にある運行試験場に設置された、自走式ロープウエーの「ジッパー」(ジップインフラストラクチャー提供)
この記事を書いた人 アバター画像 與那嶺 松一郎

 【豊見城】豊見城市(徳元次人市長)は13日、次世代交通システム、自走式ロープウエー「Zippar(ジッパー)」の導入を検討する連携協力協定を、このロープウエーを開発している「ジップインフラストラクチャー」(神奈川県、須知高匡社長)と締結した。豊見城市は、同市の瀬長島の交通渋滞を解消し、観光拠点化を図る上で同ロープウエーを導入したまちづくりの可能性を調査していくほか、モノレール赤嶺駅を起点に瀬長島や豊崎を結ぶルートでの導入も検討する。

 ジッパーは既存ロープウエーとは違い、ゴンドラ自体が2本のロープを伝い移動するためカーブや分岐を設置できる。同社によると、既存モノレールに比べて設置費用が5分の1、工期も1年程度と大幅に削減できる。自動運転のため、運転士不足の懸念も解消できるという。最高走行速度は毎時36キロで12人乗り、風速30メートル以下で運行可能という。

 開発する「ジップー」は次世代交通システムのベンチャー企業で神奈川県に運行試験場を有し、福島県相馬市にも新試験場を設置予定。実用化に向けて複数の自治体や機関と調整を進めているという。

 13日、徳元市長と須知社長らによる協定書の調印式が同市役所であった。徳元市長は「瀬長島の来場者の急激な増加による交通課題の解決につながる」と導入検討の背景を説明した上で、「瀬長島に限らず導入を検討することが市が目指す将来像の実現につながる。積極的に検討を進め、本市以南での導入を県などに提案していくことも必要だ」と話した。

協定締結式に参加したジップインフラストラクチャーの須知高匡社長(前列左から2人目)と豊見城市の徳元次人市長(同4人目)ら=13日、豊見城市役所

 須知社長は「将来的には東南アジアを見据えている。そのために気象的に似た沖縄での実現は意義がある。豊見城市が大きな拠点になると考える」と話した。

 締結式には、国交省副大臣の国場幸之助氏らも出席。国場氏は「次世代の移動手段として注目している。豊見城市での実現に向けて応援していきたい」と話した。
 (岩崎みどり)