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沖縄でも「預金獲得競争」再来か 脱マイナス金利受け転換 県内地銀


沖縄でも「預金獲得競争」再来か 脱マイナス金利受け転換 県内地銀 預金イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 日銀のマイナス金利解除を受け、預金金利を見直す動きが県内でも出てきた。琉球銀行は22日、普通預金の金利を年0・001%から0・02%へ引き上げると決定。同行によると九州の地方銀行で最も早い発表となった。マイナス金利解除を受け、県内地銀で預金獲得競争が再来しそうだ。

 預金金利の上昇で銀行の調達コストが増加すれば、貸出金利の引き上げも見込まれ、融資を受ける事業者への影響が出てくるのは避けられない。ただ、現段階で基準金利となる「短期プライムレート(短プラ)」は大手行でも動きがなく、当面は県内でも貸出金利に大きな変動はないとみられる。

 日銀がマイナス金利を解除した19日、メガバンクが先行して普通預金の引き上げを発表。21日には全国の地銀でも引き上げが相次いだ。
 県内で先行して普通預金の金利を引き上げた琉銀の担当者は「『金利ある世界』で、預金は積極的に集めたい。これまでとスタンスは変わっている」と説明する。

 21日の短期金融市場では、金融機関が担保なしで資金を貸し借りする「無担保コール翌日物金利」は平均が0・074%となり、8年ぶりにプラスだった。銀行にとっては、市場より低いレートで運用原資を調達できる預金の重要性が増すため、預金金利を引き上げる動きが広がっている。 地銀関係者は「市場金利にもよるが、短プラの見直しは日銀の追加利上げがめどになる」と見通す。 (當山幸都)