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日本と海外のモバイルバンキング 利用者増へ全国共通アプリを <けいざい風水>


日本と海外のモバイルバンキング 利用者増へ全国共通アプリを <けいざい風水>
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 皆さん、スマホにモバイルバンキングは入っていますか? モバイルバンキングは、スマートフォンやタブレットなどの端末からインターネットを通して、銀行口座の残高や明細の照会、振り込みができるサービスです。振込手数料は通常、銀行窓口やATMより安く、利用者は「いつでも利用できる」「銀行やATMに行かなくてもよい」などと感じているそうです。

 日本では1990年代後半にインターネットバンキングが開始され、四半世紀を経て個人の利用率は2021年の調査で6割を超えましたが、モバイルバンキングの利用率は3割程度にとどまっています。利用しない理由には「セキュリティ面の不安」「必要性を感じない」「申込が煩雑・パスワード設定が面倒」などが挙げられています。

 一方、海外は高く、韓国やトルコ、ナイジェリア、インドネシア、シンガポールは8割、イギリス、ブラジル、ベトナムは7割、アメリカ6割を超えると言われています。

 アメリカの銀行の多くが導入する共通アプリは、お金を受取る側の名前とメールアドレスまたは携帯電話番号のいずれか二つを事前に登録することで、少額の資金移動が瞬時に手数料無料で行える利便性や、敷居の低さが普及に貢献しているようです。

 日本のモバイルバンキング利用者を増やすには、安心して利用できるセキュリティ面強化を前提に、家族、親戚、友人、同僚との少額資金のやり取りや、商品・サービスの決済に利用できる全国の金融機関共通のアプリの登場が必要なのかもしれません。

この記事を書いた人
川門 正幸 沖縄銀行 事務部調査役