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外国人労働者の雇用状況 沖縄は増加、活用検討を <けいざい風水>


外国人労働者の雇用状況 沖縄は増加、活用検討を <けいざい風水>
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 深刻な人手不足に直面する日本では、外国人労働者の活用が重要な課題となっています。近年は、政府による外国人労働者の受け入れ拡大へ向けた取り組みも見られるようになりました。県内においても人手不足の問題は顕在化しており、今後も人口減少が予想される中、外国人労働者を雇用する度合いは高まっていく方向にあります。

 こうした状況を踏まえ、沖縄県における外国人労働者の雇用状況について概観します。沖縄労働局が発表した2023年10月末時点の県内の外国人雇用状況によると、県内の外国人労働者数は外国人雇用状況の届け出制度が始まった07年以降、過去最高を更新しました(1万4406人)。労働力調査などを基に12年~22年における沖縄県の外国人雇用割合の変化を試算したところ、12年の「265人に1人」から、22年には「64人に1人」へと約4・2倍の増加を見せています。他都道府県と比較して、外国人労働者の雇用が10年で最も進行したのが沖縄県です(全国平均は約2・5倍)。

 このように、沖縄県は観光客数の増加や有効求人倍率の増加に伴って外国人労働者が増加傾向にあります。一方、労働力不足を外国人の受け入れで補うだけでなく、県民の雇用確保や企業の生産性向上に取り組むこともまた重要です。日本人労働者の処遇や労働環境の改善を図り、女性、若年者、高齢者などの人材の確保と定着率の向上、設備投資やIT化などによるイノベーションなどを講じつつ、外国人労働者の活用を検討する必要があると思います。

この記事を書いた人
永田 健志 おきぎん経済研究所