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沖縄県庁前駅、拡張も計画 黒字化は25年度から見込む ゆいレール乗客過去最高


沖縄県庁前駅、拡張も計画 黒字化は25年度から見込む ゆいレール乗客過去最高 ゆいレール
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 2023年度の沖縄都市モノレール(ゆいレール)総乗客数が開業以来過去最高の1994万8279人に達した。コロナ禍からの回復に加え、3両化車両の導入による輸送力増強が追い風となった。一方、3両化車両や車両基地の拡張など大型投資が響き、赤字は続く見通し。同社は総乗客数、1日平均乗客数ともに24年度も過去最高を予想。県庁前駅は利便性の向上へ、今後駅舎の拡張も計画しているという。順調に実績を伸ばすことで、黒字化は25年度からを見込んでいる。 

 コロナ禍から回復した好調な観光需要を背景に観光客数が増加。3両化車両の運行のほか、てだこ浦西駅で1日平均乗客数が前年度比27・5%増の2023人となるなど、19年10月に浦添市側に延伸された効果も目立った。

 国際線の再開や、延伸地域の駅周辺では今後も商業施設や住宅などの開発が予定されており、乗客数の増加が続くとみられる。

 3両化で輸送力は上がったが、利用者が増えることによる駅舎やエレベーターの狭さが新たな課題として浮上している。自治体が管理者である駅舎の拡張へ那覇市から職員が派遣されたといい、沖縄都市モノレールの渡慶次道俊社長は「那覇空港駅もそうだが、早めに手を打っていきたい」と改善策に意識を向ける。

 収支は20~22年度決算がコロナ禍の影響もあり、3年連続で赤字が続いた。23年度は過去最高の乗客数で売上高も過去最高水準が見込まれるが、渡慶次社長は「まだ黒字とまではならない。我慢は続くが、乗客数は伸びているので黒字化にもっていける」と話した。 

(当間詩朗、謝花史哲)