りゅうぎん総合研究所と国建は5日、2013~22年度の10年間の沖縄都市モノレール(ゆいレール)整備による経済効果が計1兆769億円に上ったとの算出結果を発表した。03年の開業から12年度までの10年間の経済効果(7784億円)から約1・4倍増えた。新型コロナ禍で乗客客が減った期間はあったが、浦添市までの延伸や車両3両化、駅周辺開発が波及効果をもたらした。
経済効果はゆいレールの売上高など運営、浦添延伸、3両化、駅周辺の開発―の4項目から算出した。3両化車両の製造など県外で発注された分は除外した。調査は開業時期から12年度までを試算した13年以来2度目。
最も大きかったのは駅周辺の開発による経済効果で9070億4700万円。各駅600メートル圏内の11~20年の建物の投資額を基にはじき出した。期間中に建てられた住宅や商業施設、ホテルなどの物件は2966件で、おもろまち駅周辺(368件)が最多だったほか、経塚駅(314件)、首里駅(277件)など延長区間周辺でも多い傾向があった。
10年間の就業効果は延べ4万3920人で、税収効果は総額276億3200万円となった。
ゆいレールの1日当たり乗客数は好調な観光需要を背景に、19年度に過去最高の5万5766人を記録。コロナ禍で落ち込んだが、23年度は19年度比9割超を見込み回復傾向にある。りゅうぎん総研の武田智夫常務は、3両化車両が今後計9編成となる見通しに触れ「乗客数や運賃収入が増え、運営に関する経済効果も増加していくことが期待される」と指摘した。
(當山幸都)