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沖縄の中部地区の企業、5割が賃上げ予定 2024年度 人材確保巡り「防衛的」対応か コザ信金調査


沖縄の中部地区の企業、5割が賃上げ予定 2024年度 人材確保巡り「防衛的」対応か コザ信金調査 沖縄上空写真
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 【沖縄】コザ信用金庫は10日、2024年春の賃上げや賃上げ率の意向調査で、中部地区を中心とした取引先189社の50.8%が賃上げを予定していると回答したと発表した。賃上げ率については、そのうちの21.9%が4%以上を予定しているという。

 賃上げ率の調査は初めて。担当者は大企業に見られる賃上げ率4%以上の企業が2割を上回ったことに「中小企業では比較的大きな賃上げだ」と評価した。ただ大企業の賃上げ機運とは違い、人手不足の深刻化を受けた人材確保のための「防衛的賃上げ」と分析し、労働市場で大手より不利な県内中小企業の厳しい現状を推察した。

 コザ信金が23年4~6月期、184社を対象に調査した「賃上げを実施した企業」の割合は42.9%だった。今年の賃上げ意向の企業は前年の実績比で7.9ポイント増加し、中小企業でも賃上げの動きが広がっている。業種別ではサービス業が65.9%、建設業が48.7%、小売業は38.6%が賃上げ予定となっている。

 コザ信金によると、今回の賃上げは、サービス業の販売価格や、建設業の請負価格など収入は横ばい傾向の中で実施される見通し。人手確保のため、経営上は苦しい中での賃上げになるという。

 経営上の問題点は複数回答で「人手不足が課題」と答えた企業は41.8%と、質問項目の中で最多だった。次に「原材料高・商品物件の高騰」で33.9%となった。

 コザ信金は、今後は賃金の上昇が継続する中、企業が継続して燃料費や資源高を商品やサービスに価格転嫁できるかが、確実な景気回復につなげるためのポイントになるとしている。

 景気の先行きを計るため調査を実施した。2月20日から3月15日まで、200社に調査を依頼。回答率は94.5%だった。

 (福田修平)