沖縄県は12日、沖縄観光ガイドのウェブサイト「おきめぐり」を開設した。人流データを元にAI(人工知能)が各観光地の混雑状況を予測するほか、ガイドマップや観光統計データなども見られる。年間を通した観光客数の平準化や時間と地域の分散化、観光客の利便性向上を図る。沖縄観光に関する統計のオープンデータ化は、観光客のニーズ把握に活用してもらうことで事業者らのサービスの質向上につなげる狙い。同様のサイトの構築は県内初。
県内の観光スポットの人の密度を日・時間別で可視化した「観光快適度マップ」は過去のデータから人が集まる主要エリアについて1時間ごとに数段階に分けて混雑状況を表示しているほか、その時間帯に快適に過ごせるスポットを紹介している。大型イベントやクルーズ船寄港、MICE開催予定などが分かる「イベントカレンダー」を活用することで、混んでいるスポットを避けて観光を楽しむことができる仕組み。
沖縄の自然環境、文化、歴史、伝統工芸、食などのテーマごとに沖縄を巡る「ストーリーマップ」なども楽しめる。
市町村や観光協会などが作成した観光ガイドマップなども集約した。
入域観光客数、宿泊施設、観光消費額、来訪目的、満足度などの統計データを整理し提供することで、事業者らによる統計情報の利用促進も図る。
国内では京都市が同様のサービスを提供し、観光客の混雑緩和につながった効果があったことから、県内でのサイト構築に至った。今後は沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)のサイトからもアクセスできるようにするなどで、周知活動を行う。
県は国のデジタル田園都市国家構想交付金などを活用した。事業費は4千万円。12日の定例会見で玉城デニー知事は「より快適な沖縄観光をサポートし、世界から選ばれる持続可能な観光地域作りに引き続き取り組む」と話した。「おきめぐり」は県のホームページからアクセスできる。
(與那覇智早)