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高い県内の新卒無業者率 企業と学生 ギャップ解消を <けいざい風水>


高い県内の新卒無業者率 企業と学生 ギャップ解消を <けいざい風水>
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 沖縄県でも人手不足の問題が取り上げられることが多くなっています。多くの企業は賃上げや労働環境の整備などで人材確保に取り組んでいます。転職者の雇用や外国人労働者の受け入れ、パート・アルバイトの採用など、手段はさまざまですが、年齢が若く、長期的に戦力となり得る新卒者の採用に力を入れている企業も多いのではないでしょうか。県内でも大規模な合同企業説明会が行われるなど企業による新卒者採用への関心の高さがうかがえます。

 一方で、県内の新卒者がすぐに企業の一員として活躍できているわけではないという現状もあります。文部科学省の「令和4年度学校基本調査報告書」によると、新規高校卒業者無業者比率は11・17%、新規大学卒業者無業者比率は20・69%と共に全国で最も高い数値であり、全国平均の2倍以上となっています。

 この新卒無業者となっている人たちが企業に就職すれば、大きな課題となっている人手不足が一部解消され、県経済にとってもプラスとなるでしょう。しかし現実には企業と学生の間に、金銭面や働き方、必要なスキルなどさまざまなギャップが存在しています。

 ギャップを埋めるべく企業は初任給の引き上げや説明会で自社について広く発信するなどしています。ギャップ解消の取り組みは企業だけでなく学生にも求められます。希望職種や企業に就職するため、資格やスキルを身につけ、業界に対する知識を深める必要があります。どちらか一方ではなく、双方の取り組みで県経済にさらなる好循環をもたらすことを期待します。

この記事を書いた人
小嶺 貴史 おきぎん経済研究所