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中城湾港新港 岸壁整備へ 250メートル、大型船着岸可能に 耐震強化、29年度完成 国の物流拠点事業


中城湾港新港 岸壁整備へ 250メートル、大型船着岸可能に 耐震強化、29年度完成 国の物流拠点事業 中城湾港新港地区の国際物流ターミナル事業が国に採択されたことを受けて開かれた報告会=20日、沖縄市のITワークプラザ
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 国が2024年度の新規事業として中城湾港新港地区国際物流ターミナル整備事業を採択したことを受け、中城湾港の振興発展を目的とした企業主体の団体「中城湾新港地区協議会」と、沖縄市とうるま市で構成する「中城湾港開発推進協議会」は20日、沖縄市ITワークプラザで関係者向け報告会を開いた。同事業では新港地区内で2カ所目となる大型船が着岸可能な延長250メートルの耐震強化岸壁や港湾施設用地、泊地をいずれも水深11メートルの深さで整備する。1カ所に集中する大型船の需要ひっ迫が改善される見込み。物流の取扱量の増加や後背地にさらなる企業立地が期待される。

 24年度から整備を開始し、29年度に完成予定。総事業費は98億円。現在、新港地区内の西岸壁に耐震強化岸壁が整備されているが、東岸壁では初整備となる。国が岸壁や港湾施設用地を整備し、県も岸壁そばの用地に国際物流ターミナルを建設する予定だ。

 西岸壁に大型船やRORO船(ロールオン・ロールオフ型貨物船)、クルーズ船の寄港が増加していることを受け、事業化が実現した。

 21年7月には、東岸壁側に県内最大規模のバイオマス発電所が稼働したが、燃料は海を挟んだ西岸壁に着岸した大型船から輸送するためコストがかかっている。そのほか、西岸壁への大型船寄港増加によりクルーズ船の利用が制限される課題もあった。同日の会合には海運や物流関連企業の関係者約40人が参加した。中城湾新港地区協議会の桑江浩会長は「新港地区のさらなる発展を願い、一層努力をする覚悟だ」と話した。

 22年3月に改定・公表された中城湾港の港湾計画では今回採択された岸壁にさらに250メートル程度の岸壁2カ所の延長を計画しているが、採択には至っていない。

 (梅田正覚)