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災害マニュアル「ない」半数 沖縄の観光業者144社調査 津波の訓練経験3割のみ


災害マニュアル「ない」半数 沖縄の観光業者144社調査 津波の訓練経験3割のみ イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は、4月3日に発生した台湾地震による津波警報対応に関する県内観光事業者向けの観光危機管理アンケートの結果を26日、発表した。約半数が地震津波などの災害時用の対応マニュアルが「ない」と回答し、津波の避難誘導訓練をこれまでに実施したことが「ある」と回答したのは29・9%(43件)にとどまった。

 3日に発表された津波警報を受け、避難誘導を実施したのは68・8%(99件)だった。実施しなかった理由として、「避難場所がよく分からなかった」「高台に建っており、避難誘導が不要だった」などがあった。

 今回の対応を通して感じた課題は「マニュアルの見直し・策定、避難訓練の必要性」が25件で最も多く、避難の方法18件、インバウンド(訪日客)への案内が8件と続いた。行政に対しては、車での避難による交通渋滞への対応や、多言語対応を含む情報提供方法の改善などを求める声が上がった。

 下地会長は「課題が明らかになった。障がい者や外国人への対応を含めたマニュアルを用意し、地域の特性などにも応じた十分な訓練を日頃から行っていかなければならない」と話した。OCVBはこの結果を受け観光危機管理について学べる資料を作成、ホームページで公開した。本年度も観光危機管理に関する勉強会や図上訓練を実施する。

 アンケートは12~18日に、ホテルや交通事業者など、沖縄産業ツーリズム産業団体協議会や県観光協会等協議会などの傘下事業者144社から回答を得た。 

(與那覇智早)