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沖縄海邦銀行、増収減益 事業者向け貸し出し増加 24年3月期決算


沖縄海邦銀行、増収減益 事業者向け貸し出し増加 24年3月期決算 資料写真
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 沖縄海邦銀行(新城一史頭取)が10日発表した2024年3月期連結決算は、売上高に当たる経常収益が前期比0・1%増の125億7700万円、経常利益が5・9%減の20億4200万円で増収減益だった。純利益は特別利益の計上があった前期の反動減もあり30・2%減の12億8700万円。行員の自然減などで営業経費が抑えられたが、債券の売却損や与信費用の増加が利益を下押しした。

 銀行単体の経常収益は0・1%増の125億2200万円、経常利益は6・1%減の20億2800万円、純利益は29・2%減の12億9900万円。本業のもうけを示すコア業務純益は、営業経費減少や手数料収入の増加で、25%増の22億4800万円だった。

 貸し出しは住宅ローンなど個人向けが伸び悩むも、事業者向けは増加し、期末残高は過去最高だった。貸出金利回りは前期末と同水準となり、下げ止まり感がある。

 新城頭取は「計画に至らない項目もあり十分ではないが、企業向け貸出残高も順調に伸び評価できる」と指摘した。創業75周年に合わせ、24年3月期の期末配当を前期末の25円から50円とした。

 25年3月期の業績予想は預金金利引き上げや行員の処遇改善による経費増を織り込み、経常利益は13・3%減の17億7千万円、純利益は3・6%減の12億4千万円とした。

 (當山幸都)