今帰仁家畜市場で16日に開催するセリで、同市場最高値の期待がかかる雌子牛が出る。名前は「せいか」。「ゲノムモンスター」の異名を持つ県有種雄牛「美百合(ちゅらゆり)」の妹だ。
せいかを母牛にしたい繁殖農家などが購入に意欲を燃やしているという。生産者の我那覇盛(さかり)さんは「今帰仁市場の過去最高値を更新したい」と力を込める。
美百合は昨年11月、新たな県有種雄牛に選出された。
子どもの肉質から種牛としての能力を調べる現場後代検定では、枝肉重量が平均534・3キロ、サシの入り具合を評価する数値「BMSナンバー」は平均10・1(最大値12)を示した。ロース芯面積、バラの厚さ、推定歩留まりの5項目で県記録を更新した。生産資材高騰などで厳しい状況が続く県内畜産業の「希望の星」と評される。
せいかは昨年7月、美百合の異父兄妹として生まれた。セリ日で生後10カ月を迎える。体重は340キロ~350キロ。一般的な子牛が同月齢で300キロ程度だという。我那覇さんは「肩幅や骨じまりなど素晴らしく、欠点が見当たらない」と話す。
今帰仁市場の過去最高価格は187万7700円。繁殖農家が母牛として導入に意欲を燃やす中、我那覇さんは「せいかを通して、全国に美百合の名前が広がってほしい」と期待をにじませた。
(玉寄光太)