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金秀アルミがYKKの傘下に アジアでの需要拡大を見込む 当面、事業形態は継続


金秀アルミがYKKの傘下に アジアでの需要拡大を見込む 当面、事業形態は継続 「YKKAPグループ」となった金秀アルミ工業のホームページの一部
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 若菜

 アルミサッシ製造で、県内唯一の技術を持つ金秀アルミ工業(西原)の全株式をYKKAP(東京)が取得した。

 インドネシアやタイ、台湾などに自社工場を持ち、アジアでの製造拠点の強化や販路拡大などを見据えるYKKAPにとって、輸送費の削減などのメリットがある。
 
 当分は現在の事業形態を継続し、「金秀」の看板も残したため、両社名で商品を互いに販売できる。金秀アルミの新社長には、YKKAPの前生産本部四国製造所素材製造部押出ライン長の松本隆男氏が就いた。

 YKKによると、今後も金秀グループと連携は続けるが、具体的には今後詰めていくという段階だ。

 県内で金秀アルミだけが持っている「押出し」技術は、ダイスと呼ばれる金型に機械で強い圧力を加えて形成加工法。製造が難しい空洞がある中空品なども一回の押出で容易につくることができる。また、表面に均一にアルミニウム被膜をつくる「アルマイト塗装」も、同社が誇る技術だ。

 YKKAPもこれらの製造技術を持っているが、県内工場にはなく、県外工場で製造した押出材などを輸送するなどコスト面での負担が大きかった。

 担当者は「この二つの技術が株式取得へ大きな要因となった」と明かす。今後、アジア地域でのサッシの需要拡大も見込む。同社は「県内やアジア地域での安定供給を目指す」と意気込む。 

(新垣若菜)