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半世紀続いた泡盛の「酒税軽減」、段階的に縮小始まる 2032年に完全廃止 岐路に立つ業界 沖縄


半世紀続いた泡盛の「酒税軽減」、段階的に縮小始まる 2032年に完全廃止 岐路に立つ業界 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 新垣 若菜

 泡盛の酒税軽減措置の段階的な縮小が15日出荷分から始まった。1972年の日本復帰に伴う激変緩和措置として導入されて以降、半世紀にわたって続いてきたが、2032年には完全廃止となる。県内酒造業界が自立に向けた岐路を迎える。

 復帰に伴う県外メーカーとの競合に当たり、資本規模が小さい県内酒造所の市場を守るため、本土より低い酒税を適用して泡盛などの価格優位性を担保していた。

 軽減措置が切れ商品価格に転嫁され、県民の家計負担につながることに加え、製造業の少ない沖縄で泡盛は離島の雇用を支える重要な地場産業であることなどを理由に、国も延長を認めてきた。

 これまで県内へと出荷される泡盛の酒税はアルコール度数30度の場合、35%軽減され1・8リットルの泡盛1升瓶で換算すると189円の減税措置を受けていた。15日からは、出荷量が年1300キロリットル超の酒造所で軽減幅が25%に、200キロリットル超~1300キロリットル以下の酒造所で30%に税率が縮小し、その後も段階的に引き下げられる。200キロリットル未満の小規模酒造所は32年の廃止まで35%のままとなる。県酒造組合の佐久本学会長は「消費者により楽しんでもらえるよう、それぞれの会社が個性を生かした販売展開に力を入れ、付加価値を高める努力をさらにしていかないといけない」と語った。

 (新垣若菜)