【今帰仁】今帰仁家畜市場で16日に開催されたセリで、県有種雄牛「美百合(ちゅらゆり)」の妹牛「せいか」が同市場最高価格となる税抜き416万4千円で競り落とされた。今年の県内市場でも最高価格を付けた。会場からは「こんな価格は見たことがない」と驚きの声が上がった。
鳥取県畜産試験場肉用牛研究室が競り落とした。せいかを母牛として導入することが目的。小江敏明室長は「美百合の妹だということで、絶対連れて帰るという意気込みだった」と語った。
生産者の我那覇盛(さかり)さんは「あんなに高値が付いてうれしい」と喜びを述べた。
同市場の過去最高価格は187万7700円。県の担当者によると、雌牛で高値が付くのは珍しいという。購買者は肥育農家が多く、去勢雄牛の値段が高くなる傾向にあるからだ。今回、母牛導入を目的に、せいかに高値が付いたことで「県内の雌牛に注目が集まることを期待している」という。
美百合は昨年、子どもの肉質から種牛としての能力を調べる「現場後代検定」ではA5ランクの割合が90.5%を示すなど、県記録を更新している。
(玉寄光太)