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中国、24年は5%成長 IMF、予測を上方修正


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京共同】国際通貨基金(IMF)は、中国経済に関する審査を終了し、29日に声明を発表した。2024年の国内総生産(GDP)成長率を前年比5・0%、25年を4・5%と予測し、4月の見通しからそれぞれ0・4ポイント上方修正した。北京での記者会見でIMFのギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は不動産不況や欧米との貿易対立を今後のリスクに挙げた。
 24年1~3月期のGDPが製造業などの堅調さを背景に前年同期比5・3%増となったことを反映したほか、不動産分野などの景気対策も寄与すると判断した。中国政府は24年の成長率目標を「5・0%前後」と掲げており、IMFは同年の目標は達成されると見込んだことになる。
 ゴピナート氏は、不動産市況の悪化は予想以上に大きく長期化しているとして警戒感を示し「より包括的な政策」が重要だと強調した。中国は、地方政府に在庫住宅を買い取らせて不動産開発企業の経営を支えるなどの景気対策を進めている。
 また、欧米が中国の電気自動車(EV)などの過剰生産能力を批判して対立が深まっていることに関連し、中国の特定分野の産業保護が「国内資源の配分のゆがみにつながり、貿易相手に影響を与える」と懸念。中国は貿易や投資の制限をせずに、世界貿易機関(WTO)を重視して「多角的貿易体制を強化する努力を続けるべきだ」と提案した。