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減税開始、家計なお厳しく 定額4万円 6月食品値上げ614品目 電気の補助廃止も逆風


減税開始、家計なお厳しく 定額4万円 6月食品値上げ614品目 電気の補助廃止も逆風 月別の食品値上げ品目数
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 所得税と住民税の計4万円の定額減税が1日から始まった。歴史的な円安を背景とした物価高が長引く中、家計の所得を増やして消費を刺激する狙いがある。一方で、帝国データバンクによると6月には614品目の食品が値上がりする見込み。電気・ガス料金を抑制してきた政府補助金が6月使用分から廃止されることも家計への逆風で、厳しい状況が続く。
 定額減税は、1人当たり所得税3万円と住民税1万円を本来の納税額から差し引く仕組みで、対象は給与収入2千万円以下の納税者と扶養家族約9500万人に上る。政府は減税規模を3兆2840億円と見積もる。
 サラリーマン世帯の場合、給与や賞与から源泉徴収される所得税が減額される。6月だけで引き切れない場合は、翌月以降の源泉徴収分も減額となる。住民税は6月分を一律0円とした上で、7月から来年5月までの11カ月間、年間の税額から減税分を差し引いた額を11等分して徴収する。
 政府は減税額を給与明細に記載するよう企業などに義務付けた。手取りの増加を一目で分かるようにして実感しやすくする狙いがある。年間納税額が少なく減税額の方が大きい場合は、1万円刻みで現金を給付する。減税対象の約9500万人のうち約3200万人が該当する見込みという。
 一方、6月の食品値上げを分野別に見ると、加工食品が329品目と最多で、菓子や乳製品も目立つ。平均値上げ率は16%。2024年の平均も、現時点の集計では17%の大幅値上げとなっている。帝国データは、年間で約1万5千品目が値上げされるとみている。
 電気・ガス代補助はロシアのウクライナ侵攻や円安に伴う物価高への対策として23年1月使用分から続いていた。廃止に伴い、家庭向け電力は大手電力全10社で前月に比べ値上がりとなる。