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公表済み裁判 職員動員せず 横浜教委


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 横浜市教育委員会が外部の傍聴妨害のため職員を動員していた4件の裁判とは別に、市立小の教諭が強制わいせつなどの罪に問われた裁判が横浜地裁で開かれた際、処分を公表済みだったことを主な理由として職員を動員していなかったことが30日、分かった。「被害者のプライバシー保護」という動員理由が揺らぎ、公表済みの事件かどうかを判断基準の中心としていた可能性がある。
 市教委は30日、取材に「公表していたために対応の必要がなかった」と説明。「被害者側からの要望もなかった」ともしている。
 教諭だった30代の男は2021年11月、修学旅行の引率で訪れた栃木県日光市の旅館で女性脱衣室にカメラを設置したなどとする容疑で栃木県警が逮捕。その後、報道されていた。市教委は翌12月に懲戒免職とし、公表していた。
 市教委は、被害者のプライバシー保護が果たせなくなる恐れがある事案は、懲戒処分の公表を翌年度にするとの運用を19年7月に開始。
 この規定などを理由に4件はただちに公表せず、職員を裁判に動員していた。