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大同火災、増収減益 24年3月期 台風6号が影響


大同火災、増収減益 24年3月期 台風6号が影響 大同火災
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 大同火災海上保険(那覇市、与儀達樹社長)は31日、2024年3月期決算を発表した。売上高に当たる正味収入保険料は大口契約の更新が多くあった火災保険やコロナ禍からの回復でレンタカー、タクシーの増車に伴う自動車保険の伸びなどにより、前期比2.7%増の171億2500万円となった。昨夏発生した台風6号の影響で過去2番目に高い支払保険金となったが、経費圧縮と大規模災害に備えた責任準備金の取り崩しで、経常利益は同50.8%減の5億800万円を確保した。純利益は同77.5%減の3億2300万円で4期ぶりの増収減益だった。

 支出に当たる正味支払保険金は台風6号被害に伴い、前期比30.1%増の96億5700万円。本業のもうけを示す保険引受利益は同61.9%減の3億7900万円で、台風損害に引き当てるため、異常危険準備金約9億円を取り崩した。

 正味収入保険料から正味支払保険金や事業費などを差し引いた営業収益残高は5億5500万円のマイナスに転じた。損保会社の収支状況を表す指標で、100%を下回れば良好とされる「コンバインド・レシオ」は2019年3月期以来となる100%超えの103.2%となった。

 支払いの能力など財務の健全性を示す「ソルベンシー・マージン比率」は同27.6ポイント減の792.0%で健全性の基準とされる200%を大きく上回っている。期末配当は前期と同額の1株55円。

 25年3月期は正味収入保険料で176億円、純利益5億円を見込んだ。与儀社長は「過去最大クラスの台風と自動車事故の増加などで厳しい決算となった。その中で一定の利益確保ができたことはこれまで取り組んできた財務基盤強化の成果が表れてきたと評価している」と述べた。

 (当間詩朗)