「ホントに100年生きるつもり?」「はい! 120歳くらいまで。元気で長生きが我が家の家訓なので」。なんて会話は能天気な若い時分から今もって継続中だ。
外見が若い人は身体年齢も心も若いのだとか、「人は見た目が9割」という類の本も人気だ。近年、社会の中で美容分野の存在意義が重要度を増してきたと感じるのは私だけであろうか。人は誰しも単に日々を過ごすのではなく、心の潤い満載の人生を送りたいのだ。
ところで、どの業界も人手不足で、美容界も同じくそうだ。その中で有り難いことに美容師の卵の本学生は、待遇面や企業との適性をじっくり考えた就職活動に勤しむことができる。
仕事というのは本来相手があって初めて成り立つものであるから、教育や美容といった「誰かの喜びにつながる」ことを目の前で体感でき、「人や社会の役に立つ」意味を容易に見い出し、実感できる職業人生は特に嬉しいものだ。
前例なき人生100年時代において、美容業界で一層の工夫を見込まれるのが、福祉や介護との連携である。もちろん従来もホームや病院、ご自宅に訪問してのサービスもあるのだが、美容師個人とお相手を結びつける何らかの組織としての体制がもっと強固にあると、地域全体が活性化していくのではなかろうか、と妄想が膨らむ。
妄想の実現を模索することに加え、自己プロデュース力が大事だと、外見磨きに精を出すメッキだらけの私は、なんと美容学校の校長なのであった。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/03/4-3-4.jpg?resize=184%2C184&crop=120px%2C0px%2C467px%2C467px)
琉美インターナショナルビューティカレッジ校長。1962年5月、山口県生まれ。32年間、沖縄県立学校に勤務し、糸満高校、南風原高校、名護高校で校長を歴任。2023年3月名護高校を退職。同年4月から現職。県教育委員会委員。趣味は読書、ガーデニング。