有料

全産業経常益15%増 1~3月期統計 GDPマイナス予測


全産業経常益15%増 1~3月期統計 GDPマイナス予測 売上高と経常利益、設備投資額の増減率
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 財務省が3日発表した1~3月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比15・1%増の27兆4279億円だった。5四半期連続のプラス。幅広い業種で価格転嫁が進んだことが寄与した。民間シンクタンクによると、1~3月期実質国内総生産(GDP)の改定値は、速報値の同水準のマイナス成長となると予測した。
 経常利益の内訳をみると、製造業が23・0%増の9兆2661億円で、2四半期連続のプラスだった。円安の影響で「輸送用機械」の経常利益が33・1%増に膨らんだことが寄与した。非製造業は11・5%増の18兆1618億円で13四半期連続のプラスだった。サービス業が人出の回復で客足が戻った。設備投資は全産業で6・8%増の17兆6628億円だった。12四半期連続のプラス。輸送用機械や食料品で生産体制を増強する動きが目立った。売上高は全産業で2・3%増の387兆4182億円。
 法人企業統計を踏まえ、民間シンクタンクなど4社が1~3月期のGDP改定値を試算した。物価変動の影響を除く実質の平均は前期比で年率1・9%減だった。速報値の年率2・0%減とほぼ変わらない見通し。改定値予測は1・6%減~2・1%減だった。みずほリサーチ&テクノロジーズは「物価高を受けて個人消費の弱さが際立つ構図は変わらない」と指摘した。