有料

トヨタ本社立ち入り検査 国交省 認証不正、是正命令視野


トヨタ本社立ち入り検査 国交省 認証不正、是正命令視野 トヨタ自動車で不正が報告された7車種
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 トヨタ自動車など5社で大量生産に必要な「型式指定」の認証不正があった問題で、国土交通省は4日、道路運送車両法に基づき愛知県豊田市のトヨタ本社を立ち入り検査した。トヨタからは計7車種で不正の報告があり、出荷停止を指示していた。検査結果を踏まえ、再発防止を求める是正命令などの行政処分を視野に対処する。安全性能の試験も実施する。
 日本を代表する自動車メーカーが、不正を巡り国の立ち入り検査を受けるのは異例。一部で生産を止めた工場もあり、関連企業や日本経済への影響が懸念される。
 午前9時半ごろ、5人の国交省担当者がトヨタ本社に入った。衝突時の歩行者保護に関する試験の虚偽データを提出するなどの不正があり、社内ルールや現場の実態を確認、幹部らを聴取して組織的関与の有無などを調べる。
 不正を報告したマツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの4社へも近く立ち入り、6月中の終了を目指す。
 国交省は検査と並行して、不正のあった車種が安全や環境に関する性能の基準(保安基準)を満たすかどうか試験する。基準への適合を確認するまで出荷停止を指示している他、不適合ならリコールの検討を指導する。5社はいずれも、乗り続けても安全上の問題はないなどとしている。
 斉藤鉄夫国交相は4日の閣議後記者会見で「不正は極めて遺憾」と述べた。出荷停止指示の影響を「対象の車種や生産台数は限定的」と説明。その上で「メーカーからは生産ラインを止めないため、出荷停止対象以外の車種で増産を検討すると聞いている。試験を速やかに行い、経済への影響を抑える」とした。
 斎藤健経済産業相は部品会社などへの影響を調査する考えを表明。対策として、関連企業への資金繰り支援などが想定されるとした。