【新竹共同】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は4日、台湾の新竹市で株主総会を開催し、劉徳音会長が退く新体制を選出した。魏哲家最高経営責任者(CEO)が総会後に記者会見し、自身が会長兼任となったと表明。魏氏は人工知能(AI)向けの半導体の需要が旺盛な状況下で、同社の技術と競争できる企業はなく「優位は続く」と強調した。
米中対立を背景にTSMCは生産拠点を分散化。熊本県の第1工場は今年10~12月に量産を始め、第2工場も年内に着工する予定。米アリゾナ州でも工場建設を進めているほか、ドイツでも工場建設を発表している。
熊本県が誘致に意欲を示す第3工場には「第1工場と第2工場をしっかりやってから将来を考える」と述べ、具体的な言及はなかった。水資源の確保や地元住民との関係構築を巡り努力している最中で、今後は「地元住民の賛同」を得てから考えたいと述べた。
中台関係の緊張で地政学的リスクが高まる中、台湾の生産能力を海外に移す可能性については「議論したことはある。だが8~9割が台湾にあり、不可能だ」と明言。世界の指導者が戦争の発生を防ぐよう望むと述べた。その上で最先端の半導体の開発・製造は台湾で始めると強調した。
2023年12月期決算は、売上高が前期比4・5%減の2兆1617億台湾元(約10兆円)、純利益は17・5%減の8384億台湾元。世界的な半導体の需要不足が響き、09年以来14年ぶりの減収となった。
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TSMC会長に魏氏 「技術の優位」強調
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琉球新報朝刊
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