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経営後継ぎ 要件緩和 中小企業 政府、事業承継に特例へ


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 中小企業の非上場株式を取得した後継ぎの贈与税や相続税の納税を全額猶予する事業承継税制の特例に関し、政府が後継ぎの要件を緩和することが8日、関係者への取材で分かった。現在は経営を引き継ぐ前に、その企業の役員を「3年以上」務める必要があるが、2025年度の税制改正で期間を短縮する方針だ。
 働き手の7割が勤める中小企業が後継ぎを見つけやすくし、望まない廃業を防ぐのが狙いで、21日の閣議決定を目指す経済財政運営の指針「骨太方針」に明記する。
 要件とする役員在任期間をどこまで短くするかは、年末にかけて行う与党との税制改正協議で決める。
 中小企業の後継ぎは、先代の経営者の存命中に非上場株式を譲り受けるか、先代の死後に相続するのが一般的。事業承継税制は、総株式数の3分の2までの取得なら、贈与税は全額、相続税は8割の納税を猶予する。これを拡充したのが18年に始まった特例で、27年末までに後継ぎになった人は、全株式を取得しても贈与税と相続税の両方の納税が全額猶予される。