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5月中小景況、4.6ポイント改善 中央会 製造業、価格転嫁厳しく 沖縄


5月中小景況、4.6ポイント改善 中央会 製造業、価格転嫁厳しく 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

  県中小企業団体中央会が12日発表した5月の県内景況は、前年同月と比べた企業の景況感を示す判断指数(DI)が全業種でマイナス4.5だった。前月調査からは4.6ポイント改善した。非製造業は5月の大型連休などで観光客数などが増えて改善し、前月比25.0ポイント好転してプラス25だった。一方、製造業は原材料価格の高騰などに見舞われているものの、価格転嫁が進まず20.0ポイント悪化のマイナス40.0だった。

 中央会の岸本勇会長は「業種を問わず人手不足に見舞われており、人材確保のために人件費を上げる必要がある。その原資の確保には価格転嫁が必要だ」と指摘。「商品の種類や取引先は多くあり、販売価格が個別に違うこともある。価格交渉には時間がかかる」とも述べた。

 製造業の対象は10業種。業界の景況感は「横ばい」が6業種、「悪化」が4業種だった。「前年同月比では旺盛な需要を実感しているが、人員不足で供給が追い付かない。人員確保のために賃金を上げたいが、工賃上昇が不可欠。そこが思うように上げられない」(繊維・同製品)などの声があった。

 非製造業は12業種。「横ばい」が9業種、「好転」が3業種、「悪化」はゼロだった。ホテル旅館業では適正な宿泊料金で集客できた施設は好調だったが、施設ごとの実情は乖離(かいり)があるようで「宿泊施設の増加による客の分散とみえる」との声があった。

(島袋良太)