沖縄振興開発金融公庫は11日、公共施設などの建設、運営を行政と民間が連携して行うPPPやPFIの県内自治体における取り組み状況を発表した。2024年3月末時点で、活用されたPFIを含むPPPは計1750件で2019年以降、急増しているという。沖縄公庫によると、本土復帰以降、公共施設整備が進み、地方自治体の維持管理費が年々増加する中、施設整備や更新に民間資本を活用する事例が浸透し始めている。
PPPは指定管理者制度やリース方式などがある。PFIはPPPの一形態で施設建設や運営などに民間の資金や経営を活用する手法だ。沖縄公庫がPPPに関し県や市町村を調査したのは初めて。
県内で最も多かったPPPは指定管理者制度の1650件だった。回答した1県39市町村のうち小規模2村を除く自治体で活用されている。代表的なのは沖縄市の沖縄アリーナで、プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボールが指定管理者となっている。次いで庁舎の一部を民間に賃貸する借地権設定が多く40件だった。
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民間が建設した施設を自治体が借り受けるリース方式は13件で、北中城村の村民体育館整備などで活用された。同村はリース代金を支払う一方、企業共同体から土地使用料や建物にかかる固定資産税が得られ、リース期間中の財政負担は村単独で事業を行うより約1億5千万円軽減される見込みという。
PFIは17件だった。パークPFI(公募設置管理許可制度)を活用した沖縄市のコザ運動公園サッカー場跡地整備運営事業は対象公園施設として、すこやかグループがホテル事業を運営しているほか、コンビニなども展開している。その他、サービス購入型や独立採算型などがあった。
沖縄公庫の平良貴洋地域連携情報室長は「取り組み状況を把握し、先進事例を紹介することで、自治体における検討と民間事業者の事業参加を促していきたい」と調査の意義を強調した。
(当間詩朗)