那覇市は12日までに、市民会館を解体して新たに整備する新真和志複合施設建設事業のイメージ図を発表した。
真和志支所や市立図書館など公共施設7カ所を集約する4階建ての複合施設の外観に、伝統的価値の高い市民会館の雨端(あまはじ)をイメージした構造も想定している。市民会館は本年度中に解体されるが、赤瓦やエントランスホールに設置されていたヒンプンなどは新施設に「部分復元」されるなど、文化を継承する予定。
市は4日、同建設事業の落札者を沖電開発グループに決定したとホームページで発表した。市議会9月定例会で承認を受けた後、契約を締結する予定。新施設は2028年度に完了する予定。
複合施設の契約予定額約46億9千万円。隣接地に飲食店や保育園、クリニックなどが入居予定の7階建ての民間施設が建設される。
民間施設の敷地には定期借地権が設定され、市が運営事業者から借地料を得る仕組み。車両142台を収容できる駐車場も整備する。全体の敷地面積は8679平方メートル。
隣接する与儀公園ともなじみ、誰もが訪れやすい環境にするため、同事業と一体的に整備する。
11日の市議会6月定例会の代表質問で、知念覚市長は「真和志地域ににぎわいと交流を生み出す新たなランドマークを築き上げる」と答弁した。
市管財課によると、複合施設に入居予定の真和志支所は老朽化のため今年9月に閉鎖し、10月からは那覇市保健所に移転する。
(嘉陽拓也)