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コロナ「11波」10週連続増 45都府県で拡大 九州、沖縄多く


コロナ「11波」10週連続増 45都府県で拡大 九州、沖縄多く 新型コロナウイルス・オミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は5万5072人だったと発表した。1医療機関当たり11・18人で、前週比1・39倍。10週連続の増加となった。広がりやすいとされる変異株「KP・3」が主流。過去の流行でも夏に感染拡大が見られており、専門家は「第11波に入っている」との見方を強め、対策を促している。

 1医療機関当たりの感染者数はインフルエンザでは流行の注意報を出す基準の10人を越えた。45都府県で増加し、熊本(26・33人)、宮崎(29・34人)、鹿児島(31・75人)の3県では5類移行後最多を更新した。このほか佐賀(29・46人)など、九州、沖縄が多い傾向となっている。少なかったのは青森2・67人、秋田3・13人、山形4・41人。

 流行中のKP・3は冬に多く検出されたオミクロン株「JN・1」から派生し、4~5月ごろに主流となった。東京大の研究チームはJN・1と比べ広がりやすく、感染やワクチンによって獲得した免疫を逃れる力が強いという分析結果を発表している。症状は大きく変わっていないと考えられているが、社会経済活動が盛んになった影響か、初感染の人が受診するケースも多いという。

 日本感染症学会理事長の長谷川直樹・慶応大教授(感染症学)は「第11波に入っているのではないか」と指摘。手洗いの対策に加え「人混みに行くときはマスクを装着し、体調不良の際は活動を控えてほしい」と呼びかけている。