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沖縄内の平均賃上げ、1万円超で過去最高 県経営協の調べ 人手不足で人材確保に 物価高の対応も理由 一方で伸び、額 全国下回る


沖縄内の平均賃上げ、1万円超で過去最高 県経営協の調べ 人手不足で人材確保に 物価高の対応も理由 一方で伸び、額 全国下回る 沖縄空撮(資料)
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 県経営者協会(宮城茂会長)は20日までに、2024年度の会員企業の賃上げ状況を調査した。前年度と比較可能な112社の平均賃上げ(正社員1人当たり)は1万179円(3・98%)で、経営協が調査を実施した過去5年で最高となった。

 連合が3日に発表した24年春闘の最終回答集計によると、平均賃上げ率は5・1%、賃上げの平均月額は1万5281円だった。単純比較はできないが、今回の調査結果をみると、県内の賃上げ率、額はいずれも全国平均を下回った。

 経営協の調査は、122社が賃上げ理由を回答した。

 賃上げ理由は三つまでを選択可能とし、最も多かったのは「社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止」で、94・3%(115社)だった。経営協は「人手不足の中で、人材の確保や定着のために賃上げしているケースが多いようだ」と分析した。

 2番目に多かったのは「物価上昇への対応」が68・9%(84社)、「新規人材の確保」が54・9%(67社)で続いた。「業績好調」は8・2%(10社)にとどまった。 

 24年度の賃上げ実施率は97・3%。定期昇給に加えてベースアップをしたのは23年度が64・3%だったのに対し、24年度は70・5%に増えた。

 初任給の状況も調査した。それによると、24年度の平均初任給は大卒が前年比で6761円(3・7%)高い18万9537円、専門学校卒は同6663円(3・9%)高い17万7311円、高卒は同6227円(3・84%)高い16万8338円となった。いずれも前年から6千円台の上昇だった。

 回答率は42・6%(124社)、回答した企業のうち労働組合があるのは31・5%の39社。(島袋良太)