広い店内を歩くとひときわ目を引くオレンジの制服。売り場の商品について分からないことがある来店客に呼び止められ、その相談に、スタッフたちはすらすらとアドバイスしてみせる。
約50年前に沖縄初のホームセンターとして誕生した「メイクマン」(浦添市、宮城順一社長)。物品のインターネット販売が浸透した現代でも、独自の戦略で長く成長を続けている。
県内9店舗の売り場で、スタッフが説明するのは工具や塗料、園芸用品の扱い方や組み合わせ、活用方法など多岐にわたる。力の源泉の一つが、店員の専門性が下支えする「コンサル機能」の高さだ。
DIYアドバイザー、グリーンアドバイザー、自転車整備士、農薬管理指導士など各部門の有資格者約100人を抱えるだけでなく、約150人に及ぶ“手練れ”の集団がいる。
メイクマン出身の約30人と合わせ、元自動車整備士、ペンキ屋、電気技師、花屋などさまざまな業界で活躍してきた120人の「職人」だ。中高年になって現場を卒業したり、自らの店を閉じたりした後に、メイクマンの販売員に姿を変えて売り場に立っている。
約25年前に始めた取り組みだ。
(島袋良太)
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独創性や個性、高い技術や技能、緻密な経営戦略などで根強い体力を蓄えてきた県内の「強者(ちゅーばー)」企業たちは、どんな工夫をし、時に壁をどう乗り越えてきたのか。経営のヒントを訪ね歩く。