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「首里石鹸」にナゴランの香り 北農高生と共同開発「保全へ一歩」


「首里石鹸」にナゴランの香り 北農高生と共同開発「保全へ一歩」 新商品をPRする北部農林高校3年の名嘉翔建さん(後列右から3人目)、花城拳斗さん(同4人目)、コーカスの緒方教介社長(左端)ら=1日、那覇市
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 「首里石鹸(せっけん)」のコーカス(那覇市、緒方教介社長)は1日、北部農林高校園芸工学科の生徒らと共同開発で、1年に一度しか咲かない県の希少植物「ナゴラン」の香りを再現した洗顔石鹸とハンドクリームの販売を開始した。ランの気品のある香りに清涼感を合わせることで、ナゴランの特別な香りに近づけた。

 ナゴランは適切な環境下でないと育たず、気温によって開花できないことも多くある繊細な植物という。北農高同科では、野生ランの一種であるナゴランの増殖、栽培に関する研究を30年以上続け、保全活動に取り組んでいる。

 プロジェクトは、ナゴランを1株1株大切に育てる生徒の思いを形にしようと、昨年北農高の先生が送った1通のメールがきっかけ。ナゴランの香りの再現へ、調香師が通常の約2倍の試作を重ね、約1年をかけて商品が完成した。

 プロジェクトチームで北農高3年の名嘉翔建(しょうたつ)さんは「志が一致して商品開発ができた」と笑顔。花城拳斗さんは「ナゴランを多くの人に知ってもらうことが保全への第一歩だ」と話した。

 価格は「琉球のホワイトマリンクレイ洗顔石鹸」が2728円、「エッセンスハンドクリーム」が2310円。それぞれ限定3千個、全国27の首里石鹸の店舗とオンラインショップなどで販売する。

(與那覇智早)