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生ごみで発電、循環型社会へ 北中城にリサイクルセンター 来年1月にも本格運用 「農を活かした里づくり」目指す


生ごみで発電、循環型社会へ 北中城にリサイクルセンター 来年1月にも本格運用 「農を活かした里づくり」目指す 落成したEMユニバーサルビレッジの「ビオリサイクルセンター」(提供)
この記事を書いた人 アバター画像 石井 恭子

 EM研究機構(比嘉新代表)は8日、北中城村荻堂で整備を進めてきた生ごみを活用して発電するリサイクルセンターの落成式典を開いた。早ければ来年1月半ばにも本格運用を始める。2027年開業を目指す「EMユニバーサルビレッジ」建設の一環で、食品加工施設や農産物直売所などを整備し、同センターで発電した電力の地産地消や農産物生産に取り組む計画だ。

 北中城村の「農を活かした健康・福祉の里づくり事業」を共に進めてきた。EM研究機構の新垣高平センター長によると、村内飲食店などからの食品残さの推定量は1日当たり1~1・3トン。それらをEM(有用微生物群)で発酵させ発生したメタンガスを発電燃料に生かし、1日で200キロワットの電力がつくれるという。ガス発生後の残さも堆肥化していく。

落成式典でテープカットする(左から)EM研究機構の新垣高平センター長、アトリエ・門口の門口安則代表、比嘉孝則村長、EM研究機構の比嘉新代表、福山ホールディングスの福山一郎社長=8日、北中城村荻堂

 事業費は6億2千万円で、内閣府沖縄振興特定事業推進補助金で8割を補う。ICT太陽光型水耕栽培施設や学童農園、圃場(ほじょう)なども整備。村づくりの担い手として行政を補完する「地域再生推進法人」として、国から県内初の認定を受け、工事を進めてきた。

 EM研究機構の比嘉代表は「会社の新しい社会貢献の形だ。行政と一体のモデルケースに注目してほしい」と述べた。

 同村の比嘉孝則村長は「循環型社会や持続可能な農業を下支えし、村の活力を生み出す施設だ。先の世代に継がれる財産となる」と期待した。

 村の里づくり事業としては今後、県営中城公園に隣接する荻堂・大城地区に医療・福祉施設、市民農園や滞在型農園、アウトドア施設、住宅などの整備が計画される。EMビレッジも含めた事業全体で11ヘクタールの規模。村農林水産課によると、医療・福祉施設については特定医療法人アガペ会と計画や整備を進めていくという。

 (石井恭子)