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最低賃金、「全国一律」の目安超え27県 平均1055円 徳島は異例の84円増


最低賃金、「全国一律」の目安超え27県 平均1055円 徳島は異例の84円増 2024年度改定後の最低賃金(時給)
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 都道府県別の2024年度最低賃金改定額が29日、出そろった。27県の地方審議会は、全国一律で時給を50円引き上げるとした国審議会の目安額を上回った。徳島は84円で異例の引き上げ幅とした。

 20都道府県は目安と同じ50円増で決着した。厚生労働省によると、全国平均の時給が51円増の1055円になる。全ての働く人が対象で10月以降、各都道府県で順次適用される。

 目安への上乗せは前年度の24県を上回った。隣接地域間や都市部との時給格差、それに伴う人材獲得競争が背景にある。物価高に苦しむ労働者の処遇改善につながる一方で、企業側にとっては人件費の負担が重くなる。

 時給千円超えは16都道府県に増えた。残る31県もすべて950円を超え、このままのペースで推移すれば来年度の改定で全都道府県での千円超えが視野に入る。

 目安への上乗せ額は、徳島が最大で34円。現行方式となった02年度以降で全国最大だった8円を大幅に更新した。徳島の現行額は岩手に次ぎ全国で2番目に低いが、各種の経済指標から「全都道府県の中位より上に位置している」などとして29日、大幅な引き上げを決めた。徳島の決定が全国で最後だった。

 岩手と愛媛が9円、島根が8円、鳥取は7円、佐賀、鹿児島、沖縄は6円。エリア別でみると、四国と九州・沖縄の全県が上積みをした。

 改定後の時給が最も高いのは東京の1163円、最も低いのは秋田の951円。差額は212円。前年度は最も高い東京(1113円)と、最も低い岩手(893円)の差額が220円で縮小した。

 最低賃金は毎年度、国審議会の目安額を参考に労使の代表者らによる地方審議会が地域ごとの改定額を決める。

 国の審議会は都道府県をA―Cの3区分に分け、区分ごとに目安額を提示。例年、都市部のA区分を高く設定するケースが多かったが、地域間の金額差が広がるとの批判を踏まえ、24年度は全国一律としていた。