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早めの事業承継 対策を 一定の年数かけ、計画的に <けいざい風水>


早めの事業承継 対策を 一定の年数かけ、計画的に <けいざい風水>
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 戦後の団塊世代が2025年には75歳以上の高齢者に達し、少子高齢化が進む日本では事業承継問題が一層深刻化します。

 全国で実施した「社長年齢」分析調査によると、23年の社長の平均年齢は60・5歳で、33年連続上昇し過去最高を更新しました。社長が交代した割合は3・8%で14年連続の3%台です。

 事業承継は、大きく「親族内承継」「従業員への承継」「第三者承継」の3種類に分けられます。現経営者は、後継者へ安心して会社の経営を託すことが重要ですが、後継者を決定するに当たり、社内・取引先の理解を得られることや事業を成長させる力量が求められるなど一定の年数をかけた長い時間が必要です。

 タイムリミットとなり事業承継に影響を及ぼすケースや十分な引き継ぎができず承継後に経営が行き詰まる可能性もあります。23年度の後継者不足による倒産件数は、586件で過去最多となりました。そのうち4割は経営者の病気・死亡が原因です。早めの対策を打たなければ、妥協の上で事業を引き継ぐことになったり、社長の高齢化などでタイムリミットが来て廃業に追い込まれたりする可能性は高まります。

 承継の際には、専門的な知識も必要なため顧問税理士に相談するケースが多いですが、近年は金融機関や公的機関、M&Aを専門とした民間企業への相談も増えています。

 事業承継を成功させるためには、早めに検討し情報収集を始め、計画的に準備を進める必要があります。

この記事を書いた人
山城 敦 沖縄銀行 城間支店長