日本銀行那覇支店は11日発表した10月の県内金融経済概況(主要指標8月)で、県内景況は「拡大基調にある」との判断を維持した。個人消費や観光、投資などの各個別項目の判断も据え置いた。
個人消費は、百貨店・スーパーをはじめ台風の影響があった前年の要因を差し引いても旺盛な需要があり堅調さが続く。一方で、物価高で安価なプライベートブランドを求める需要や節約志向もみられる。
入域観光客数の増加傾向が続き、8月の主要ホテル客室稼働率は前年を14・8ポイント上回る75・8%で、コロナ禍以降のピークとなった今年7月(73・6%)の値を更新した。9月速報値も69・7%と前年を上回る水準。好調な需要に応えるため受け入れ側では従業員の新規採用や省人化に取り組んでいるが、バス運転手の不足で団体旅行を一部謝絶せざるを得ないなど影響も出ている。
住宅投資は底堅く推移しているが、地価や資材価格、貸出金利の上昇が需要減退につながるとの懸念も聞かれる。日銀の利上げに伴い県内金融機関が10月から融資の基準となる金利を引き上げたことから、小島亮太支店長は「県内経済にどのような影響を及ぼすか注意深く見ていく必要がある」と述べた。
(當山幸都)